【マジョルカ】18歳、久保建英の飛躍【後編】


18歳になった久保建英、天才といわれる男の裏側に見えてくるのは挫折と努力。

初めての挫折

2018年は、久保建英選手にとっては苦難の年になる。

J1開幕戦 に途中出場を果たしたものの、その後出場機会が減少。ついには、ベンチ入りの機会すら得られないようになる。


当時の自分が東京に残って、序列を覆すのは正直難しかったと思います。

出典:「世界のどこであっても、必要とされる選手になりたい」久保建英が語る過去、現在、未来【前編】

試合に出れない時期が続くと、彼は長谷川監督に直談判して移籍をすることになる。その行動に至るまでのプロセスは想像するしかないが、行動に移したという結果だけ見ても、彼の覚悟の大きさを感じることができる。

その後、移籍先の横浜マリノスで試合に出場していたものの、大活躍した。とは言い難かったように思う。少なくとも筆者は、そう感じていた。

確かに神戸戦ではイニエスタの前で一点を決めた。結果を出している。

だが、他の出場した試合では、相手を背負ってのプレーなど、フィジカルコンタクトが必要となる場面で当たり負けしていたし、体力面もまだまだ不安があるようにみえた。

「伸び悩んでいるなぁ」

凡人である私はそんな風に思っていた。

シンパシー

当時私は、16歳としては良くやっているなと、上から目線で考えていた。これでも充分すごいな、と。要するに心のどこかでなめていたのである。

自分が16歳だったとき、高校で部活のレギュラーに選ばれず、当たり前にベンチを温めていたことを思い出す。諦め、諦念、諦観。こんなもんだろうな、という納得。

そうした個人の経験を、久保選手に重ねながら見ていたわけである。

だが勿論、私の見てきたものは、彼の見ているものではない。

男子三日会わざれば刮目して見よ

2019年の開幕戦。

久保選手がスタメンにその名を連ねていた。

試合が始まるまで正直なところ期待半分、不安半分だった。

きらめくプレーがみたいな。という気持ちと、今年もあまり通用しないかもな。という気持ちの半分ずつ。

そんな中途半端な気持ちで見始めたからこそ、驚愕した。



…フィジカルが強い。体の預け方も上手い。

…常にルックアップしている。だからスペースを上手く使う。

…球離れがいい。ワンタッチで精度のいいパスを出す。

想像をはるか超えるプレーに瞠目した。こりゃとんでもないぞ、と。

ピッチで相対した川崎の車屋選手もこう語っている。


これまでJリーグでたくさんいい選手と試合をしてきたが、間違いなくトップレベルの技術力をもった選手だと思うし、回りの動きを見ながらもしっかりとプレーできていたので、それは本当に凄いなと思う

出典:川崎のSB車屋も久保を称賛「間違いなくトップレベルの技術力をもった選手」

マッチアップした選手がそういうならば間違いないのだろう。

結果、スコアレスドローだったが、その試合内容は充実したものだった。

久保選手のあまりのプレーのうまさに筆者は一種の感動を抱いていた。

彼ならばいつかこのレベルに到達するだろうとは思っていたのだ。

驚いたのは、それがこんなにも早く訪れたということだった、短期間で肉体的にも精神的にも、はるかに成長していた。

昨シーズンの苦い経験を無駄にせず、課題を見つけ、その課題を乗り越えるために適切な努力をしたのだということが、プレーにはっきりと表れていた。

男子三日会わざれば…そんな言葉が頭をよぎる。

同時にこの感動が、予想の裏切り…良い意味での…からきているのだと、腑に落ちた。



日本の至宝、久保建英

大げさかもしれないが、久保建英は今までの日本人サッカー選手とは一線を画する存在だと確信している。

まだ年齢が若くこのプレーをするんだから、これからのことも考えて期待値が大きいよね、とか。天から与えられた身体的な才能が素晴らしいから…すなわち天才だから。ということではない

サッカー選手である以前。

久保建英という人間の持つマインドが最高であるから確信できるのだ

才能を車に例えるなら、彼はスーパーカーに乗っている。

それは確かに一流のサッカー選手になるために必要な資格だろう。

だが本当に素晴らしいのはそれを乗りこなす久保建英という人間がスーパーであること。

正しい地図を持ち、失敗や困難があっても、諦めず、軌道修正出来る。

頭の良さ、卓越したマインドこそが久保建英を久保建英たらしめているのだ。

そして、だからこそ私は、彼を本気で応援したいと思えるのだろう。

凡人はかく語りき

久保選手は小説をよく読むそうである。

その好きな小説家の中に東野圭吾さんの名前があって、何とも言えぬ親近感がわいた。

手の届かない世界にいる久保建英が、それでも確かに、今の日本を生きる人間だということを実感したからだ。

この本も、もしかしたら久保選手も読んだのかもな。だったら嬉しいな

凡人である私はそんな風に心躍らせながら、東野圭吾の小説を読み始める。


追記:2019年6月14日、久保選手のレアル移籍が決まりました!ヤッター!!



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